デバイスタイルは2002年に創業、他社に先駆けて小型ワインセラーを市場に投入して以来、個性あふれる製品を通じ、ワインセラーのある豊かな暮らしをご提案してまいりました。私たちは固定観念や既成概念にとらわれることなく、さまざまな技術や要素を柔軟にベストミックスし、ワインやお酒などのポテンシャルを余すことなく引き出すことのできる製品を追求しています。
セラーの冷却方式には主に、コンプレッサー式 ( 蒸気圧縮式 )、ペルチェ式、吸収式の3つがあります。
デバイスタイルではエネルギー効率を考慮し、冷却性能に秀でたコンプレッサー式および静粛性やコンパクトさに優れたペルチェ式のいずれかから、それぞれの製品により適した方式を採用しています。もちろん、コンプレッサー式の製品には静粛性に優れた高効率型コンプレッサーを、ペルチェ式の製品には最新の特許技術を駆使した、信頼性や耐久性がより高い国内メーカー製*ペルチェを厳選。また、環境にも配慮し製品にはフロンガスを使用しておりません。
さらに、たとえ1つのパーツでも、その効果や効率を検証し必要性を十分に検討したうえで採用すなど、可能な限り消費電力を低減するともにユーザーへの価格転嫁を抑えた、環境にもユーザーにも十分に配慮した合理的な製品を発信しています。
* 製造は日本国内ではありません。
コンプレッサー式冷却の最大の特長は、冷却能力が大きく、エネルギー効率が高いことです。
一般的に冷凍庫や冷凍冷蔵庫、大容量のセラーなどに使用されています。
セラーにまず求められるのは、日本の暑い夏でもきちんと必要な温度に冷却すること。コンプレッサー式は冷却能力が非常に優れており、猛暑の環境下でも庫内のワインやお酒を十分に冷却できます。
また、ひんぱんにドアを開閉するなどして、庫内温度が一時的に上昇した場合でも、庫内をすみやかに冷却しワインなどの温度を設定温度に保つことができます。
コンプレッサー式冷却は冷却能力が非常に大きいため、とくに大型のワインセラーに適した冷却方式です。一方で、コンプレッサー起動時や運転時にわずかに運転音や振動が伴うことがあります。
従来のコンプレッサーはモーターの回転数が変化しないのに対し、インバーターコンプレッサーはモーターの回転数を状況に応じて変化させることができます。周囲温度が低くあまりパワーを必要としない冬季や夜間などには回転数を落としてパワーを下げて運転、反対に夏季などの周囲温度が高いときには回転数を上げてフルパワーで運転します。このように周囲環境にあわせて運転することにより、よりエネルギー効率の高い冷却を実現しています。
コンプレッサー [ 図C,D,Eで構成 ] で低温低圧の気体の冷媒を圧縮します。
このとき、冷媒は高温高圧の気体になります。
高温高圧になった冷媒をコンデンサ [ 図A ]( 放熱器・凝縮器 )に通すことで、庫外の空気中に放熱*して常温高圧の液体にします。コンデンサの多くはセラーの側面や背面に取り付けられています。
* セラーの据え付けに放熱スペースが必要なのはこのためです。十分な放熱スペースがないと、せっかくのセラーが本来の冷却性能を発揮できないおそれがあります。
冷めた液体の冷媒をキャピラリチューブ [ 図F ]( 減圧機 )で減圧して低温低圧の液体とし、セラーの庫内に設置されたエバポレータ [ 図B ] ( 蒸発器、気化器 )で気体にします。このとき周囲の熱を奪う**ことにより庫内を冷却します。
** 蒸発熱、いわゆる「気化熱」のことです。アルコール消毒液や打ち水などが例としてよくあげられます。この仕組みを応用して冷却しています。
低温低圧の気体になった冷媒は再度コンプレッサーに戻ります。これで1サイクルです。このサイクルを繰り返し、庫内を冷却します。
ペルチェ式冷却とは、電流を流した半導体( ペルチェ素子 )によって庫内で吸収した熱を庫外に移動させて冷却する方式です。
ペルチェ素子に直流電流を流すことで冷却します。電気の量を調整することにより、急速な温度変化なくゆっくりと設定温度まで下げ、庫内を安定した温度に保つことができます。また、圧縮機のような駆動部( ポンプ・モーター )がないので騒音や振動もありません。寝室など静粛性が求められる空間に最適な冷却システムです。振動がないのでワインにストレスをかけることがなく、冷媒も使用しないので環境にも影響を与えることもありません。
デバイスタイルでは、ペルチェ式冷却のセラーのすべてに耐久性と信頼性に優れた国内メーカー製*ペルチェ素子を厳選し採用しています。
* 製造は日本国内ではありません。
ペルチェ素子に直流電流を流すと、素子の片方の面で発熱、もう一方の面で吸熱が起こり、発熱している側から吸熱している側へと熱が移動します。
19世紀中頃にフランスの物理学者ジャン・シャルル・ペルチェによって、異なる2つの金属を接合して電流を流すと、一方の接合部に吸熱、もう一方の接合部に放熱が発生することが発見されたため、「ペルチェ効果」と呼ばれています。
1950年頃に接合部に金属のかわりに半導体材料を用いることでペルチェ素子として実用化されました。
【 ペルチェ素子 】
上図はペルチェ素子の断面図です。N型とP型の2種類の半導体素子があります( N型半導体は電子がつねに1個余分にあり、反対にP型半導体はつねに電子が1個不足しています )。2つの金属板( 吸熱板と放熱板 )に挟まれた2つの半導体は一体の素子として電子回路に接続されています。
デバイスタイルでは全てのワインセラーに対して、徹底的な冷却性能評価と温度測定を実施しています。
私たちは厳しい品質管理体制を確立し、安定した品質レベルを維持・管理し、継続的品質向上に取り組んでいます。
いかなる周囲温度でも、確実に庫内が設定どおりに冷却できているかをテストし、消費電力量の測定を行います。
「周囲の最高温度が何℃までなら庫内温度を保証する冷却性能を維持できるか」を検証します。
ワインの保存に重要な条件として、安定した温度管理が求められます。
熱電対温度計を庫内の様々な箇所にセットし、温度を測定します。
設定温度に対して上部と下部で温度差ができる限り生じないように調整しています。